KOO-KI TOPICS - 【続編】Netflix 「サンクチュアリ-聖域-」の江口組も凄かった!ロケ地レポート

【続編】Netflix 「サンクチュアリ-聖域-」の江口組も凄かった!ロケ地レポート

KOO-KI江口カン監督作品・Netflix「サンクチュアリ-聖域-」のロケ地レポート後編は、江口組のみなさんに焦点をあてていきたいと思います。

(「ロケーション」と「美術・装飾」に焦点を当てた前編はコチラ↗︎をご覧ください。)

ところで、突然「江口組」って何?と思いませんでしたか?
知っている方は流石映画ツウですね!(私はKOO-KIに入って初めて知りました)

映像業界用語で制作班のことを監督の名を入れて「○○組」と呼ぶ事が多く、タイトルを極秘に進める場合もあるので業界では「○○組」を使う事が多いんだそうです。(ネット調べ)

名刺に江口組と入れているスタッフさんもいらっしゃったので、制作現場では普通に使われる言葉なんですね。
作品ごとに自分の名前を入れられた組が組織されるって、監督はどんな気持ちなんでしょうね!

ハイ!またまた前置き(脱線)が長くなりすいません‼️

とにかく!この記事では前回に引き続きドラマの画面上ではほとんど写っていない、江口組のみなさんを一部紹介して、プロフェッショナルな現場の雰囲気を少しでも感じていただき、映像業界に興味を持っていただけましたら幸いです。



 

3. 【スタッフ編】サンクチュアリを手掛けたスタッフさんは日本映画界の一流揃い!

江口監督が絶大な信頼を置く助監督さんと言えばこの方、猪腰 弘之助監督。

まず一番最初にご紹介したいのが、江口監督のほとんどの映画作品(「ガチ星」、映画「めんたいぴりり」シリーズ、「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」など)に、携わっている助監督の猪腰 弘之さんです。Netflix「サンクチュアリ-聖域-」には助監督さんが3人もいらっしゃって、この現場は猪腰さんが江口組演出部のトップとして現場を仕切られていました。

ほぼ初対面でも心を開いてしまいそうになるこの笑顔をぜひご覧ください。

猪腰さんは数々の日本映画を手掛けられ、日本映画界の宝とも呼ばれている名助監督さんです。江口監督とは気心が知れていて、この撮影の少し前にも酔っ払ってケンカしたぐらい仲が良いそうです。(いくつになっても仕事の話でケンカする程熱くなれるって素晴らしいですね。)

お昼にロケ弁をご一緒させていただいた時に、「ロケ弁は何万食たべたか分かんないねぇ〜」と遠い目をされていたのも印象的でした。

因みに以前、江口カン監督がKOO-KIのPodcast「ケイシャのしゃべり場」に出演した際に、猪腰さんのカメラ前に来た時の仕切りを絶賛しているトークがあります。こちらも合わせてご視聴いただけますとお二人の関係性がよりお分かりいただけると思います。
▶️ケイシャのしゃべり場 「#43 映像に対して真摯な気持ちでいたい。映像に対する恩返し。/BIGBOSS&D.江口 カン」 (15:03あたりでお話しされてます。)

 

撮影中の困難をスパッと解決!業界から引っ張りだこの制作担当 小坂 正人さん

撮影現場ではどんなに下準備していようとも、不測の事態は起こるようです。私が見学させてもらった短い時間にも、何度かそのような場面に出くわしました。

収録中に隣のお宅で流れているわずかな音楽を、音声さんのマイクが拾って撮影が止まったり、勝手に剥がせないポスターがカメラに映りこむ位置にあったり。その度ごとに瞬時に判断し問題解決していく凄腕の制作担当(PM)が小坂 正人さんでした。


撮影現場を凝視するこの鋭い眼光をご覧ください。佇まいがすでにキレッキレな感じです。

因みに、小坂 正人さんは映画「ザ・ファブル」、「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」にも携わられています。とても仕事ができるので、江口カン監督も全幅の信頼を寄せている制作さんで、小坂さんはその仕事ぶりから色んな作品で引っ張りだこの、なかなかスケジュールが取れない方なんだそう!

人気の俳優さんだけでなく、制作スタッフさんも良い人は奪い合いなんだということが衝撃でした。これだけ多くの人がスケジュールを合わせて作る映像作品というのは、色んな人の偶然が重なって生まれた、奇跡の賜物なのかもしれませんね。


サンクチュアリの現場はスタッフ用グッズの種類が多くない?

この現場にいる約80名ほどのスタッフさんを観察していると、色んなバリエーションのサンクチュアリグッズを身にまとっている方が散見されました。スタッフ用グッズって1種類だけじゃないの?どういうこと?という事でコチラも気になり過ぎてスクリプター(記録係)の湯澤 ゆきさんにズバリ聞いてしまいました!

ご覧ください!この可愛いお相撲柄のバック!左上にはお相撲さんの缶バッチ。よーく見ると、缶バッチのお相撲さんは義江 和也さん演じる猿河ではありませんか!
ドラマ前半では猿桜の先輩としてイヤ〜な役柄の猿河。ドラマ後半ではだんだん見え方が変化していき良い役でしたもんね!現場スタッフさんの中でも人気の隠れキャラだったんでしょうか。

ヒージャー:初めまして!突然ですがこのバック可愛いですね!これは何人かの方が身につけているようですが、どういう事なんでしょうか?

湯澤:この現場の制作スタッフに配られたものなんです。

:えー!スタッフ用グッズってTシャツだけじゃないんですね!
  この作品を盛り上げて行こうというアツイ思いが、こういったスタッフ用グッズにも現れるんですね!

台本からすでにめちゃくちゃ面白かった「サンクチュアリ-聖域-」。脚本が良いと制作スタッフの士気もこんなに上がるのかと正直驚きました。

さて、「スクリプター」という聞き慣れないお仕事にも興味が湧いてしまった私。さらに湯澤さんにお仕事について伺ってみました。

:「スクリプター」ってどんなお仕事なんですか?江口カン監督の隣にいつもいらっしゃいますよね?

:編集の方に監督の思いを伝える役です。

:そうか!撮影はストーリーの順番通りに撮らないから、今撮ったシーンが台本ではどこのシーンなのか、またOKシーンはどれなのか、編集さんに分かりやすく伝えるという事ですね。

しかも各シーンの詳細な記録だけでなく、メインは監督の思いを伝えることなのか。なかなか重要なお仕事のようです。

記録媒体は手書きと清書と二つあるそうで、手元の資料も少し覗かせてもらいました。まずは手書き資料。
台本に日にちやカメラのアングルなど色々と書き込んでありますが、これは台本そのままではありません。台本を全ページ印刷して?ファイリングしているのでしょうか。撮影前に随分と下準備をされている様子が伺えます。

清書はタブレットを使用し、データとして取り込んだ台本に変更点などを逐一記録していくそうです。

そもそも手書きの文字も綺麗な湯澤さん。さらに綺麗に清書された記録媒体を受け取った編集さんは、さぞかし仕事がしやすいのだろうなぁと想像されます。

因みに、湯澤さんは猪腰助監督と同じく「映画めんたいぴりり〜パンジーの花」にも携わっています。江口監督が信頼しているスクリプターさんの1人なのは間違いないようです。

4. 【監督編】監督がいつも持ち運んでいる必携セットが気になり過ぎて調べてみた。

持ち物にもこだわりが強い!現場全体を取り仕切る、江口カン監督が必ず現場に持ち込むのはコレだ!

監督を観察していると、いつもモニター横に自ら持ち運んでいる必携セットがありました。

まず気になったのがこの「箱馬」。

かなり年季の入った箱馬ですね。側面には拡声器を結びつけ、下の方には生地が巻きつけてあります。名前が入っているのでオーダー品でしょうか。ネットで探しても同じ形のものが全然みつりません。

しかし、箱馬というのはネットで調べると元々舞台道具のようなのですが、江口カン監督はこの箱馬をディレクターズチェアとして毎回使っています。
初めてみた時には正直、「背もたれの付いた椅子じゃないんだ!監督がこんな固いものに座るの?」と内心思っていました。しかし現場を観察していると、確かにカメラモニターを凝視する時にしかこの箱馬に座る暇はないので、この持ち運び安く、場所も取らない箱馬がちょこっと座るのにはちょうど良さそうな感じはしました。

続いてかなり気になったのがこの「ツールボックス」。左右両方向のどちらからでも開閉できるダブルオープン式で、両サイドにドリンクホルダーが付いています。

マジックで江口カンと書かれた下には「A.T.FIELD」のシール…。ん?エヴァンゲリオン?
ネットで調べたところ、「A.T.FIELD ツールボックス 17L 零号機モデル」とあったので、エヴァアイテムで間違いなさそうです。

因みに、中には収納に便利な中皿が一つ付いているのですが、あまりにも便利だったので監督がメーカーさんに直接電話してもう一つ中皿だけ売ってもらったそうですよ。(何と言うこだわりよう!)
その時にメーカーの担当者さんが偶然にも江口カン監督作のシマホのCMが大好きだったそうで、話が盛り上がったそうですよ。(何というコミュ力!)

さて、肝心の中身は何なのか…。

すいません聞き忘れてました!

監督のOKが取れましたらいつの日か、OLのカバンの中身大公開!ばりに紹介させてもらいたいと思います。その時はよろしくお願いします!

小瀬家の玄関前に立つ江口カン監督。
一見怖そうにして目の奥が優しいところが、猿桜を演じた一ノ瀬ワタルさんとそっくりだと思うのは私だけでしょうか。



最後に

サンクチュアリの現場に数時間だけ立ち会った、映像経験ゼロの私から見た現場レポートはいかがでしたでしょうか?つい興奮して話が長くなってしまいましたが、少しでも現場にいるスタッフさんの丁寧な仕事ぶりを感じていただき、映像業界に興味を持ってくれる方がいらっしゃったら嬉しいなと思っています。

Netflix「サンクチュアリ-聖域-」に関わったスタッフ一覧はNetflix公式でも紹介されています。しかしココにお名前が載る方は、ほんの一握りの方々なので、詳しくは本編最後に出てくるエンドロールをぜひご覧ください。

因みに、Netflix「サンクチュアリ-聖域-」のオープニング(タイトルバック)はKOO-KI 上原 桂が演出・制作、エンドロールはKOO-KI 山内 香里が演出・制作しています。
オープニングも本編が進むにつれてお相撲の理解が深まり、グッとくるという声もあります。ぜひご覧になられる際はオープニングはスキップせずにお楽しみいただけると嬉しいです。

<関連リンク>
Netflix シリーズ「サンクチュアリ -聖域-」公式サイト
Netflix シリーズ「サンクチュアリ -聖域-」KOO-KI WORKS
江口カンの最新WORKS

<Podcast>
Podcast番組『ケイシャのしゃべり場』 #92 江口カン監督作品 公開ラッシュSP
Podcast番組『ケイシャのしゃべり場』 #93皆さまに支えられて…江口カン監督作品SP2
Podcast番組『ケイシャのしゃべり場』 #94 「めんたいぴりり」はパンク⁉︎江口カン監督作品SP3
Podcast番組『ケイシャのしゃべり場』 #95 「サンクチュアリ」はリアルドキュメンタリーだった⁉︎江口カン監督作品SP4